2025/6/10 T. Hirano
使い方に迷うことのメモです。
誘電正接(loss tangent, tanδ)と導電率(σ)は関係しており、独立ではない(参考資料)。どちらかの値と周波数を決めれば、もう片方が決まる。絶縁体に近い、損失が小さめの誘電体材料を扱う技術者は誘電正接での設定を好み、導電率が大きくなり、絶縁体とは言えなくなる材料(金属、塩水、損失が大きいシリコン基板など)を扱う技術者は導電率での設定を好む傾向がある。導電率の設定は材料定数のElectrical conductivityの欄で簡単に設定できるが、COMSOLでの誘電正接の設定には工夫が必要で、導電率の欄に次のように設定するとよい。
Electrical conductivity | (2*pi*emw.freq)*(sub_er*epsilon0_const)*sub_tandel |
ここで、sub_er, sub_tandelはそれぞれ材料の比誘電率、誘電正接である。pi, emw.freq, epsilon0_constはそれぞれCOMSOLで定義されている円周率、解析周波数、真空の誘電率である。
裏側のオブジェクトを選ぶ際は、一度手前のオブジェクトを隠す(選択候補から外す)。そのためにはビュワーの"Click and Hide"(1)をクリックしてから隠したいオブジェクトをクリックすると消える(選択できなくなるだけで、オブジェクトが削除されるわけではない)。この状態で、もう一度"Click and Hide"(1)をクリックすると再度オブジェクトを選択できる状態になるので、選びたいオブジェクトに届くまで手前のオブジェクトを見えなくしてから選択する。最後に、選択の表示状態を元に戻すには"Reset Hiding"(2)をクリックすればよい。
・Model BuilderのMeshを右クリックしてSizeを選ぶ。
・Size指定できる小項目を選び、Geometric Entity Selection項目のGeometric entity elvelを"Entire
geometry"から指定するオブジェクトからDomainを選び、メッシュサイズ指定したいオブジェクトを選択する。
・Element Size項目でCustomを選び、Maximum element size(メッシュの最大辺の長さ)を所望の値に設定する。
・最後にMeshを右クリックしてFree Tetrahedralをメッシュ生成の最後に入れておかないと上手くいかない。(重要!)